レスリー・チャンの映画の世界
過去26年の芸能人生の中で、レスリーは無数の経典的映画に出演し、<<男たちの挽歌>>、<<チャイニーズ・ゴースト・ストーリー>>、<<欲望の翼>>から<<覇王別姫>>そして<<ブエノスアイレス>>等、レスリーの映画方面の縦横無尽さを感じるのは難しくありません。その多様さは類型的な役柄の中に限定されないものです。
レスリーと<<ルージュ>>で一緒に仕事をしたことのあるスタンリー・クヮン監督は、レスリーがとてもセンシティブな人間で、彼が生活の中から捕らえるある種の感覚や、過去の経験で得られた啓発を、自身が演じる役柄の中に転化できる、と認めています。このような理由によって、彼の演技は一般の役者と異なった、きめ細かく、内に秘めたような、観衆が心を持って堪能すべきものとなったのです。
香港の映画評論家鳳毛が語ったことがあるように、レスリーの演技の最もすばらしいところは、大きな動きをせず、ただまなざし一つで、彼は役柄の中の複雑な愛憎を表現することができるのです。ですからレスリーの演技を見る時は、必ず彼のそのまなざしに留意する必要があります。オーストラリアの映画評論家クララ・スチュワートもまた類似した言い方をしており、彼女が<<ブエノスアイレス>>のレスリーのある演技を見て、かつてない震撼を感じ、彼女は、レスリーがほんの少しの顔の表情だけで、豊かで深い感情を表現する演技ができており、そのシーンの演技は、パフォーマンス芸術の境地を感じたと。更に得難いのは、それはただ儚いだけの驚喜ではなく、<<欲望の翼>>と<<楽園の瑕>>を一度見ただけで、彼の演技のあの一貫性、安定性、きめ細かさ、そして深みと厚さを感じる事ができます。彼は本当にとても人を感動させる事のできる芸能人です。
レスリーは普段からいつも、映画はチームワークであると強調していて、彼一人の演技が良いだけでは充分でなく、一本の映画の成功もまた一人の功労でかなうものでは無いと。ゆえに、彼が語っていたのは、将来もし監督をすることができれば、一番の望みは最優秀監督賞を獲ることではなく、最優秀作品賞をとることで、一人が良いだけではなく、チームワークを完璧にしたいという気持ちの現れです、 レスリーのこの様な考え方は、韓国のある映画評論家の権威が語ったことと期せずして一致します:レスリーの<<男たちの挽歌>>から<<カルマ>>までの20作品の演技を見て、彼はチャンの演技の特色をひとつ発見した、それは、彼には共演者たちの潜在的能力を引き出す力があり、それは性別も年齢も、資質の深さも関係無く、彼(彼女)達を輝かせることができる、と。彼のその輝きは周りを覆い隠すものではないどころかそのような能力は持っておらず、彼は調和共存ということ、お互いに合わせることこそが映画芸術の成功のかぎであることを理解しているからです。彼の演技はジャズ・ミュージシャンの演奏によく似ていて、ジャズ・ミュージシャンはグループの他のメンバーと相互に合わせ、共同で芸術を創造していきます。
この説については、スタンリー・クヮン監督はこれはレスリーの心の変化であると考えていて、年齢の成熟と共に、彼もまた厚みと包容力を得、同時に彼がある一定の自信を擁するようになった時期には、もう自分の演技表現を心配することも無くなり、だからこそ、これはレスリー・チャン個人本質の変化が、演技上の変化よりも大きいことによるもの、または一種のセオリーになっていると信じたのだと思います。
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