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2000年明報周刊演芸大奨は、レスリー・チャンの「パッション・ツアー」に贈られた。 明報周刊から賞をいただきまして、ありがとうございました。コンサート前と最中に、いちばん心配をしてくれていたのはマネージャーでした。初舞台の後はいつも、報道陣を招いてのケーキカット式を行うのですが、今回はとても若い…若すぎるといっていいくらいのレポーターたちが集まりました。彼らは「哥哥、すごくいい舞台でしたよ!」とか、罪のないウソを言い、次の日にはいろいろな新聞で正反対のことが書かれたのでした…レスリー・チャンは日本のホラー映画「リング」に出てきた幽霊「貞子」のまねをしているとか、女のふりをしているとか…。こんな批評は、香港メディアの浅はかで表面的な側面を表しているだけとしか言えません。賞をいただいたことは、フローレンス・チャンにほんとうに感謝しなければと思っています。なぜなら、ほかのパートナー達からは、こんなに毀誉褒貶(*読み:きよほうへん・・・悪口を言うこととほめること。ほめたりけなしたりの世評。−広辞苑より)を招いたコンサートにそんなにたくさんのお金を投資することが、果たして価値のあることなのかという疑いが出されていたからです。私ほどの力量のあるアーティストともなると、残された道はトレンドを作ることくらいだと考えていますので、私はそんな疑いには耳を貸しませんでした。 私が何を言いたいかというと、1997年のコンサートでハイヒールを履いたのを、女性のまねをしていると言いたいのなら、それは分かります。ただ今回は、私の中で、女性のふりをするという考えは一瞬たりともありませんでした。それに、私がもしそんな目的のために長髪にしなければいけなかったとしたら、観客は「女性」がアゴヒゲを蓄えているのに気付いてしまうでしょう(ここで彼は微笑み、観客からは笑いが起こった)。 さらには舞台の3日目に、家でジャン・ポール・ゴルチエからのメールを見て、文字通り床に転げ落ちてしまいました。このコンサートにおける彼のもともとの目的は、彼は…(少し間があって)彼はとてもお行儀のいい人で、初日にはその日でいちばん大きな花束を贈ってくれました。彼のメールには、「あなたがた香港スターは、全くもってばかげている!今後、国際的なデザイナーたちは香港スターと二度と手を組むことはないだろう!」とありました。これらのことから、いくつかの香港のメディアは自己を見直さなくてはならないと感じました。私のようなアーティストは、すでに国際的な基準に達していると思います。日本では10回のコンサートを行うという前例のないことを行い、はるか日本からは喝采をうけました。評論家たちは「まったくもって素晴らしいショー」といいました。また日本の評論家たちは困惑を表してたずねました「香港のメディアはなぜ、自国のアーティストをダメにするようなことを言うのでしょう」。これが真実だとしたら、この経験から香港のメディアは多くを学ばなければならないでしょう。さもなければ、アーティストとして私たちができるのは、女性だとしたら「従順」で「フェミニン」であること、男性なら舞台でタキシードとボウタイをつけることくらいですね。そしてわれわれの産業は進歩をやめるのです。この賞の重みを感じています。こんなに「重みのある」賞を、どうもありがとうございます。この重みは「中身の詰まった」象徴だと思います。今日は、私のバンドのメンバーがたくさん来てくれています。私のプロダクション・ハウスのアルビン・リョン。ほら、そこにいる、私のコンサート・パートナー、チャン・ウィン・ホーも来ています。ここ香港でフィナーレを迎えてツアーが終わったので、私のマネージャー、フローレンス・チャンは「再走 rebuttal(=反駁(はんばく) 「反論への反論」という意味)」コンサートをやりたがっていました。彼女は香港の評論家たちに大きな「反論」をしたいのです。でも私は、その必要はないと思っています。 私が思うに、もし素晴らしいショーなら、それを見た人たちはそうと見てくれるでしょう。特にこのコンサートでは、一晩に8000人の観客が入ったとして、そのうち7000人が席を立ち、踊り、一緒に歌ってくれました。このことから判断すると、このショーは悪くはなかったと思います。本当にほんとうに満足できるショー、というわけではありませんでしたが、今のところ、この13日間、レスリー・チャンの香港でのコンサートは、私の努力の頂点だと言えるでしょう。ホンハム・コロシアムやそのほかの舞台に立つか立たないかに関わりなく、今からも私は、今までと同じく唯一の信条…自分のベストを尽くす…を掲げていきます。映画であれ、音楽、舞台の上、舞台裏、なんであれ、私の目的は同じです。 ありがとうございました。(拍手) |
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