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ある2本の映画

第33回ロッテルダム国際映画祭にて
2004年1月21日から2月1日の期間、オランダで行われた第33回ロッテルダム
国際映画祭において、張國榮に関係のある作品が二本上映された。




公式サイトより:

「楽園の瑕(Ashes of Time (Dung che sai duk) )」

張國榮(1956-2003)への敬意をこめて、当映画祭において王家衛監督の陰影に満ちた武侠作品を上映する。彼が演じるのは、幾人もの剣客と遭遇する砂漠の宿の主人。


 2003年、46歳だった張國榮は、香港のかの有名なマンダリンオリエンタルホテルの屋上(*)から身を投げて亡くなった。
 1986年に呉宇森の「男たちの挽歌」で頭角をあらわしたのち、陳凱歌、徐克、王家衛等数多くの優れた華人監督と作品を共にした俳優だった。香港の豊饒な映画史から生まれた中で、最も優雅かつ感性豊かな俳優の一人である彼に敬意を表し、当映画祭において「楽園の瑕」(1994)を上映する。
 この武侠スペクタクルに名を連ねるスターは張國榮のほか、撮影にクリストファー・ドイル、武術指導に洪金寶、そして二人のトニー・レオン、梁朝偉と梁家輝、いつもの王家衛方式だ。物語は欧陽峰(張國榮)が主をつとめる砂漠の宿を中心に展開する。彼はかつては名の知れた馬賊(*)だったが、恋人を兄に奪われて以来、辛辣で冷酷な性格となる。頻々とおとずれる来客たちの物語。愛すること、愛する人を求める彼らの悲しい生き方、それらを取り囲む世界を傍観する欧陽峰。
 全ての王家衛作品とおなじく哀愁を帯び、悲観的ですらあり、それゆえに張國榮にふさわしい。だが王家衛は、その才気と緻密さと美意識でもって我々に、「楽園の瑕」を観ることは圧倒的な感情を味わうことだと思い知らせるのだ。



(Stepping into Asia Short Films ―― 三本のさほど短くない作品、それぞれがあのいまだ謎めいた地を内側から独自の視点で見せてくれるだろう、もっともあなたが見たいと思っていればの話だが、と題されたシリーズの一本)

「Goodbye」

仕事に追われる若い女性が、立ち止まって張國榮の死を思う様子を抑えた調子で描く。

 Yoongは20代後半にさしかかった女性、単調な会社勤めをこなしている。都会暮らしの例にもれず競争に明け暮れ、仕事に追われるあわただしい日々。同棲していた男と最近別れたばかり、まだ傷は癒えていない。2003年4月1日、香港の伝説的歌手および俳優の張國榮が自死を遂げたことを知る。過去を振り返りながら、Yoongは高校時代によく聴いていた彼の古いCDを探しにかかる。張國榮の死からすぐに書かれた簡潔な脚本にJames Lee監督自身の思いが込められ、即興的で抑制の効いた短編映画に仕上がった。


この訳をしてくださったKAYOKOさんは、なぜこの監督が「Goodbye」を撮ったかに大変興味を惹かれました。そしてJames Lee監督に直接メールで簡単なインタビューをしてくださいました。(Xiang)

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「GOOD-BYE」の監督James Lee氏は1973年マレーシア生まれの華人。グラフィックデザイナーとして数社に勤務の後、演劇界へ。俳優や舞台監督を経て、デジタルフィルムによる映画製作に乗り出す。2002年製作の國語映画「Room to Let」は多くの映画祭で上映された。自らのプロダクション「Doghouse73」を設立、低予算での映画作りを行っている。

Lee氏のご厚意により、Director notesとその和訳を以下に記載する。


GOOD-BYE

Synopsis
Yoong in her late 20s working in a routine office enviroinment. Like most urbanites, caught in the rat race, she spent most of her time focusing on her work. Still trying to cope on the breakup with her live-in boyfriend Wei, on the 1st April 2003 she learns the death of Hong Kong pop legend Leslie Cheung’s suicide. Yoong begins to rediscover little memories and starts to look for her old Leslie Cheung’s CD which she listens during high school.

Director’s statement
Inspired and triggered by an event earlier this year (1st April 2003), the suicide of canto-pop legend Leslie Cheung. Received the news by SMS from a friend, I thought it was a joke. After midnight, the news was confirmed to be true. It suddenly brings back memories of my secondary school days, the friends, the girls, the music.I used to listens to his songs. But since coming out to society and joining the rat race, I gradually doesn’t listen to his songs nor even pop music. Guess it’s part of growing mature, or maybe once faced with the realities of society the songs doesn’t meant anything anymore. But that night, 1st of April 2003, it gave me back memories and feeling I once lost, those good times & bad times when we used to listens to his songs for the melody and escapism. Now maybe I have found another form of escapism, films.

And so the next day I start to write and create a screenplay for the feeling I’ve got back for a moment regarding Leslie’s death. Instead of basing the feelings directly from me, I transfer the whole feeling to the character “Yoong” which is played by Tioh Bee Yong which I saw her performed earlier in a stage play. The role she play in the play is an entirely totally different role in GOOD-BYE. The opposite. Somehow I felt for an actor to be able to handle the role in the play, it won’t be a problem if she’s ask to play the lead in GOOD-BYE. Finishes the script in a few days time, just only scenes with very brief information and no dialouges as I was embarking onto the experimenting of improvisation (putting the actors real life/history into the characters). We reherse all the scenes before shoot to lock the dialogues which I’ll note & write it down. Surprisingly Yong has put a lot of her own history and incorporate into the character as she claims some bits and parts are quite similar to her real life. It was a coincidence. And the final product is a semi-realistic-docu drama, even though the whole film is fiction, but I’m very satisfied, for it managed to caputred & potrayed the mood of separation, growing maturity, memories and good old friends.

Credits
Director James Lee
Producer Sylvia Tan
Screenplay James Lee
Camera J.Ishmael
Editor Johnny Kok
Sound engineer Goh Lee Kwang
Stylist Steven Sunny

Cast
Yoong Tioh Bee Yong
Ian Ian Yang
Ling Ling Tang
Yuen Lee Ling
Wei Chong Sheun Wei



監督コメント

今年前半の出来事、2003年4月1日の伝説的広東系アイドル歌手張國榮の自死にうたれ、つき動かされて撮った。友人から携帯にメールが入ったときは冗談だと思った。夜中をすぎてから、本当だとわかった。そうしたら、高校時代の思い出が急激に押し寄せてきた。あの頃の友達、女の子たち、音楽。彼の歌は昔よく聴いていた。だが社会に出て必死の競争に駆り立てられるようになると、だんだんと彼のどころか流行歌自体を聴かなくなっていった。大人になるとはそういうことでもあるだろうし、あるいはいったん社会の現実にさらされてしまえば音楽などどうでもよくなってしまうのかもしれない。でもその夜、2003年4月1日、彼の死の知らせが失われた記憶と感情を呼び起こした。調子のいいときも悪いときも彼の歌の旋律に聴き入り、現実逃避をはかっていた頃の気持ちを。今また別の逃避手段を見つけている、多分それが映画作り。

翌日から脚本製作に着手した。彼の死を知った瞬間によみがえった感情を表そうと思った。自分自身の感情を直接下敷きにするのはやめて、Yoongという人物にいったんすべて移し替えることにした。演じるのはTioh Bee Yong、以前舞台で観たことがあった役者。そのときは「GOOD-BYE」とはてんでまったく違う役を演じていた。まさに正反対。だが彼女ならうまくやれると感じたので、主役に起用するのに抵抗はなかった。数日間で脚本を書き終えた。ごくわずかな情報が示されるだけで会話はなし、そういう場面のみ。即興性を実験すること、つまり役者自身の本当の姿を役に体現させるということをずっとやってきたから。撮影前に全シーンのリハーサルを行い、台詞を決定し、そこではじめて書き留めるというわけだ。Yongが彼女そのものを投入し、役になりきったのには驚いた。実際彼女は、Yoongがところどころ本当の自分とひどく似たところがあると言っていた。偶然にすぎないが。できあがったのは、全てフィクションであるにもかかわらず、実話に近いようなドキュメンタリードラマといったものだ。離れていくこと、成長すること、忘れないでいること、懐かしい友人たちのこと。なんとかそういう気分を捉え、写し撮ることができてよかったと思っている。

Q&A

‐‐‐‐‐作品に登場するCDとは?

「Salute」

‐‐‐‐‐彼の歌は使われていますか?

「エンディングで流れます。Saluteのいちばん最後の『以水流年』です」

‐‐‐‐‐彼について最も印象に残っていることは?

「歌と声」




ロッテルダム国際映画祭

James Lee氏経歴はこちら
 


日本語訳:KAYOKO

訳者注:(*)ロッテルダム国際映画祭の紹介文には一部正確でない点がありますが、原文どおりとしました。


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