全 球 哥 迷 永 遠 寵 愛 張 國 榮
2004年5月20日 401スタッフ 凛

乗り越える強さの源は

 今改めて覚書メモを見ていると、あの3ヶ月のことが懐かしく思い出されます。その中からまず、日本メッセージ構想を考えていた時のことをお伝えしたいと思います。

 国別メッセージの締め切り(原文&広東語翻訳用英文)は2月中旬でした。“I love you,
I miss you” だけでは伝えきれないこの気持ちをどのように表現したらいいのか悩んでいたのは、ちょうど一番寒い時期でした。気分だけでもあったかくなろうと聴いていたCDが「大熱」でした。(あったまるための選曲、珍しいかもしれませんが「大熱」と「没有愛」は効きます)「大熱」に収録されている「我」を聴いていると、目の前にレスリーがいるような気持ちがし、この歌を歌っている彼の姿を初めて見た時の思いが蘇ってきました。

 「私は私 私はこんな自分のすべてが いつまでも好き」 
このような自分を全肯定する歌を、大観衆を前に堂々と歌っている彼の姿はとても大きなものに映りました。若い頃には、迷ったり傷ついたり、人を傷つけてしまったこともあったかもしれないけれど、いつもどこかにまっすぐな部分を持って生きてきた人なのだと感じました。歌のテクニックや演技を超えて、自分に対する自信と信頼があるから、この人はあんな風に立っているんだ、と思いました。その時から、彼は気になる「俳優」から気になる「人」になりました。私もいつか彼のように、自信を持って「私は私」と言えるよう、きちんと生きていこうと心に刻んだのです。

 あれから数年経って、まだまだ道に迷っている情けない自分しか見つけられないけれど、生き方の軸は見失ってはいけないと教えられています。軸がぶれそうになったら、彼のあの姿を思い出せばいい、と思っています。映像でしか観ることができなくても、あの彼の姿から彼の「生きる姿勢」を感じ取ってもらえると思います。

 「こんな風にきちんと生き抜いた人だ」という事実を伝えたい、というちょっと変わった視点のものでしたが、みなさまからのご意見や最後まで付き合ってくれたスタッフのお陰で、あのような最終稿までたどり着くことができました。「ファンみんなの」メッセージと感じて頂ければ幸いです。


 401当日は、ここが香港だという実感すら持てない内に全てが始まっていました。会場での簡単な打ち合わせの後、連名の花束を献花場所に持って行ったのですが、大きな花束だったので大変目立ち、カメラに追われました。雨か汗か涙か、濡れる顔と花束に誰かが傘をさしかけてくれて、献花場所までただ黙々と歩いて行ったことを覚えています。献花してもゆっくり手を合わせる気になれず、早々とその場を後にしました。

 その後トリビュートの部屋で黙想中、緊張と疲れと(何も始まってないのに)で貧血気味になり、もうダメかも・・・と思った時に流れたのが、「追」。後ろの方から一緒に歌う声が聞こえ、そこにいたみんなで涙ながらに口ずさみました。正面のレスリーに向き合って、「頑張るよ」と言えた気がしました。

 鏡を見る間もなく始まった受付作業は、受付開始時間の変更などもあり、慌しいものとなってしまいました。参加者のみなさまにきちんと応対できなかったことを残念に思っています。そんな中、プリントアウトしたチケットを本当に大事そうにされている方や、優しい笑顔を向けてくださる方など、嬉しい一瞬一瞬がたくさんありました。

 ビデオ上映が終わると、キャンドルライトセレモニー会場へ。日本人のみなさんが全員行かれたか確認しながら、Xiangさんと最後尾を付いて行きました。すると、「うわっ〜!」と声を上げ、Xiangさんが天を指差したのです。そう、そこには綺麗なお月さまが。途中、マンダリンの警備の方に誘導を手伝うよう言われ、チケットの確認作業を区画の入り口で始めました。かなりの人がチケットを持っていないことが分かり、その人たちの区画はどこだろう、と辺りを見回した私の目に入ったのは、イベント参加者用の区画の後ろに設けられた場所いっぱいの人の姿でした。

 あの夜、穏やかな光を注いでくれている月を見上げながら、私は胸を熱くしていました。「レスリー、見ているよね?こんなにもたくさんの人があなたを愛している。あなたも私も一人じゃないんだよ。」それぞれの場所でそれぞれのやり方であの日を迎えられた世界中のファン一人一人が、繋がっていく気がしました。

 お申し込みから当日までの多くの変更事項では参加者のみなさまにご心配をお掛けしました。お問い合わせへの返信も遅くなってばかりでした。また、当日もきちんとみなさまへの丁寧な対応ができていたかなど、反省点は多くありますが、今回、各国の参加者が入り混じる会場で、「私たちはやっていける」という感動と勇気をもらうことができました。

 励ましの声をくださるみなさん、資料を送ってくださる方々、作業の遅い私を助けてくれる他のスタッフ。そんなみなさまに見守られ、支えられて、私も私なりのあの日を乗り越えることができました。大切なものは本当はほんの少ししかないのかもしれません。でも私は幸運にもその一つを授かっています。みんなの中で生きることの素晴らしさに気づいています。レスリーの周りにできたこのかけがけのない繋がりに、心からの感謝を捧げます。そして、やっぱり、「ありがとう、レスリー」  


(text by 凛)